二宮ひかる 全3巻
「 オレも彼女も驚くほど弱い臆病者だ、でもそれは真剣だからだと思いたい。」軽い気持ちで声をかけて始まる田崎淳と藤沢麻衣子の関係。
体を重ねるうち次第にお互い本気になっていくが、なかなか相手に踏み込めない、
それでも少しずつ進んでいく二人を描いています。
ファンタジーな、運命のヒト!!みたいな恋愛ではなく、
互いに好きだとも言わず始まる恋愛。
でも、なぜか恋愛の良さを感じてしまう、温かい作品です。
冒頭にあげたセリフ、作品の最後の田崎のセリフなのですが、
恋愛にナイーヴなのは作中の二人だけでなく、
皆そんな部分を持っているんだろうと思います。
相手が何を考えてるかわからない、だから相手に強く言えない。
だけど、側にいたい・・・そんな気持ちを誰しも一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
二宮作品の魅力の一つに、そんな印象的なセリフが挙げられるかと。
この作品でも、いくつものセリフが読み手へと語りかけてきます。
以下では、そんなセリフや記憶に残るシーンの数々をご紹介♪
「あなたでたぶん19人目・・・」「色っぽいって言われるだろ」って声をかけた田崎さんへの返事。
「19人全員とヤっちゃった?」「ええまぁ」と続きます。
この数が多いかどうかはともかく、
この影響か、淡々とそういう話を話す女が気になってしまうのは、
良いのか悪いのか・・・。
セックスの最中の「好き」は癖だと言う麻衣子。
実際そういうコがいたもんで妙に腑に入ってしまいました。
いや、そんな簡単に好きにならないでくれって田崎さんとは違って、
どう反応していいか迷ってたんですけどね!
迷い損ってヤツですよ(><)
持ち上げては突き落とす。恋愛にハマってしまうとこんな気分の繰り返しですよね。
最近突き落とされたまま終わってしまい、
気持ちの行き場のなくなってる僕です・・・○| ̄|_
麻衣子が浮気したと勘違いした田崎さんの行動。
僕も訳分からずフラれたときに、これやりたくなって、
喫茶店でしたが、
「この水かけていい?」って言ったことありますよ!
「いいよ」って言った彼女は、いったい何やったんだか(--;
風俗と比べてって話。
こんなお金で優しくして貰えるなら・・・。別物なんだとは思いつつ、心が揺らいでたのは内緒!(・ー・;)ゞ
普段こういうこと言わないコが
「デザートは私よ」そりゃ行きますよ!!!
セックスの最中に「嫁にくるか?」「うん」という受け答えの後で。
ん~、男らしいです。なかなか言えませんよ~。
つい勢いで言うセリフって多いですもんね(^^;
「結婚の条件は?」という問いに対して。
聞いたことをきちんと消化する。
耳の神経が心に繋がってるのが大事。
とりあえず、僕には足りないところですわ(--;
主任になった田崎さんに、「私もうれしい」という麻衣子。
それは自分の男の出世が嬉しいのではなくて。
「あなたがうれしそうだからじゃない」こんなこと言ってくれるコがどっか落ちてませんかねえ・・・。
こんな数々の名ゼリフで彩られた「ナイーヴ」
二宮ひかるさんをご存じない方は、ぜひここから!
ところでこの方、巻末によく文章を書かれてるんですが、
ナイーヴ3巻では、
かっこよくなんて、なれない。
あきらめ きれない。
こっそりと貪欲でいることが、
何の優れたものもない、選ばれていないニンゲンの、
しあわせに なれる方法だと、 どこかで信じている。
と残されています。
貪欲でいないと、平凡な僕に幸せはやってこない。
普段目を背けがちなことに、ふと気が付かせてくれますよ~。
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